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先輩起業家に学ぶ奮闘日記 -三浦半島で事業をするために伝えておきたいこと-【三浦半島みらいミーティング⑧】

2025-03-25Knot

海・山などの自然や、軍港や近代建築といった文化資源など多様な魅力を有する三浦半島。その豊富な資源を最大限活用するため、地域内外のヒト・モノを繋いで新たな価値を生み出すことを目指す事業者らが集まり、その手法を学ぶ「三浦半島みらいミーティング」が開講されている。
2025年2月15日に実施された第8回のテーマは「先輩起業家に学ぶ奮闘日記」。まだ経験の浅い事業者(起業から3年程度以内)へ向けて、先輩起業家から今までの「もがいた・奮闘した経験」を聞く。本回は、今年度開催している「地域コーディネーターアカデミー」の受講生企画として、企画コンセプト設計やゲストとのコミュニケーション、当日運営など受講生がチームとなって行った。

今回のゲストスピーカーはこちらの3人。

鈴木 孝博氏/㈱ヤチヨ 代表取締役

学校卒業後、大手会社に就職するも3年で退職し、叔父の運営している製麺業に入社。入社後、様々な改革を行い業務用食材卸売業に転換し販路拡大に励みつつ、2000年に洋食レストランを横須賀市内に出店。その後、5店舗に拡大するも不採算が拡大し全て撤退をするが、2005年からは、カフェ・サービス・保育事業に進出し、現在日本全国にて展開。また、1999年には横須賀市と共に、カレーの街よこすか推進に取り組み、事業者として「よこすか海軍カレー」レトルトの発売や他数々の仕掛けに取り組む。2000年には地元企業から出資を募り、カレーの街オフィシャルショップ「横須賀カレー本舗㈱」を設立し、地域資源を活用したカレー店・スーベニアショップ・ジェラートショップ・ミリタリーグッズショップを展開する一方、2011年より横須賀市が取り組むサブカル活用事業に民間事業者のまとめ役として活動。

根岸 辰也氏/㈱三浦観光バス専務取締役

1986年神奈川県三浦市生まれ。3児の父。2009年に近畿日本ツーリスト株式会社にて、海外インセンティブツアーの企画実施を中心に、2011年の東日本大震災以降は復興支援のバスツアーなど数多く運営するなど、ソーシャルな事業展開を目指し活動する。2014年より事業承継として株式会社三浦観光バスに入社。貸切バス事業、レンタカー事業、旅行業等の事業経営を行う傍ら、既存事業以外の多角的な展開を推進。家業の強みを各種モビリティによる「移動」ビジネスであると再定義し【「移動」の新たな価値をデザインする】というビジョンのもと、承継事業における新たな価値創造を提案。モビリティを用いた自走可能なコンテンツによってアプローチできる地域や社会課題の解決をミッションとし、三浦半島を中心に様々な地域活性プロジェクトを展開中。

田中 美乃里氏/NPO法人地域魅力代表

1977年逗子生まれ、県立横須賀高等学校卒。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2006年に「地域の魅力を伝える、高める。」をコンセプトとするNPO法人 地域魅力を設立。慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師。好きなマリンスポーツは海藻拾い。

目の前のことに誠実な人が、他者から助けてもらえる

先輩起業家が、起業や事業承継をしてから現在までの軌跡を、主に失敗談や奮闘談を、起死回生の策やターニングポイントを交えながらスライドで解説。それぞれ壮絶な奮闘を繰り広げているが、どのゲストにも共通しているのは、「誠実に、真摯に向き合った」ことで「人」に救われたというエピソードだった。
「事業は人間関係の悩み」(根岸さん)、「商工会議所などで出会った人に助けられた」(鈴木さん)など、何をするにもまずは『人』。かかわりのある他者との向き合い方が、事業の成功と失敗の分かれ道と言えるかもしれない。
後半は先輩起業家と司会(地域コーディネーター)によるトークセッション。会場からも質問が次々と寄せられた。根岸さんに対しては『事業承継をして感じていたジレンマが和らいできたのはどのタイミングなのか』、田中さんに対しては『仲間となってくれた人たちとの関わり方で意識したことは?』『全くルーツがない場所で起業する時に大切なことは?』など矢継ぎ早に疑問が飛び出した。 さらに鈴木社長に対しては『失敗する予兆はある?あるとしたらどんな時?』など、 “ここでしか話せない” ようなトークを引き出す場面もあり、時間が足りなくなるほど活気のあるトークセッションとなった。

先人から学んだ2時間。自分は..

地元で活躍する先輩起業家の「失敗談」から「自分ならどうするか」を考えるユニークな企画となった三浦半島みらいミーティング最終回。実績のある事業者のクロストークから、自身の疑問をぶつける貴重な機会となり、参加者のモチベーションが高まるきっかけとなっただろう。
全8回を通して、地域住民、事業者、行政、関係人口など多様なステークホルダーが参加し、それぞれの視点から議論が重ねられた。その結果、地域の共通の魅力や課題が明らかになり、新たな取り組みの種が生まれる場となった。「三浦半島みらいミーティング」を通じて得られた気づきやアイデアを活かし、今後の地域活性化につなげていくことが期待される。
Staff Credit
Written by Kaito Nakahigashi
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