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地域と企業を繋ぐ伴走者へ。三浦半島に新たな価値を生み出す「地域コーディネーターアカデミー」

2026-03-17Knot

神奈川県の三浦半島地域(横須賀・鎌倉・逗子・三浦・葉山)が抱える課題を、地域内外のリソースを繋いで解決する。そんな「地域コーディネーター」を育成する連続講座が、2025年10月から約3ヶ月にわたり開催された。 選考を経て集まった16名のプレイヤーたちが、対面とオンラインを織り交ぜた全5回のプログラムで何を学び、どう変化したのか。

企業の深層課題を読み解く:ヒアリングと選定の基準(第1回)

初回(2025年10月11日)は三浦市の「マホロバ・マインズ三浦」で開催された。選抜された16名が対面で一堂に会し、「企業の課題をヒアリングする手法と企業選定の基準」という本質的なテーマに向き合った。
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特筆すべきは、実在する企業を題材としたケーススタディへの取り組みである。単に「売上を上げたい」「人手が足りない」といった表面的な悩みを受け取るのではない。企業の歴史、社員構成、そして何より経営者の思考の癖や価値観といった多角的な情報から、真の課題を読み取るトレーニングを徹底した。
グループワークでは、経営者の本音を引き出すための質問設計を練り上げ、コーディネーターには「情報の断片から、組織の構造的な課題を可視化する力」が求められることを深く理解した。その土台の上に、「副業・兼業人材の活用」や「実践型インターンシップ」といった外部人材等を活用する手法の中から、企業の課題解決に最適な手段を選択する基準について学んだ。
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「問い」の力で本音を引き出す実践(第2回)

第2回(2025年10月29日)は、実際の経営者をゲストに迎えた「実践ヒアリング」に挑んだ。
事前の緻密な作戦会議を経て臨んだヒアリングでは、受講生の真摯な姿勢に経営者が心を開き、「普段人には話さないことまで、つい話してしまった」という言葉が漏れる場面もあった。
「想像していた課題と、現場にあるリアルのギャップ」に気づくこと。この違和感を大切にし、経営者の人生や価値観に深く共感しようと努めることが、精度の高いプロジェクト設計の第一歩であることを全員で再確認した。

想いを「プロジェクト」という形へ(第3回)

第3回(2025年11月19日)は、ヒアリングした熱い想いを、外部人材に届く「募集記事」へと昇華させるステップだ。 チームに分かれてブラッシュアップを行い、「この表現で、経営者の悩みが伝わるか?」「外部人材がワクワクするポイントはどこか?」を徹底的に議論した。
後半は、募集・面談・選考といった実務フェーズについて学習した。「スキルの確認だけでなく、価値観のすり合わせをどう行うか」という、人・企業・地域を繋ぐための「プロの技術」を吸収し、自身の役割への理解を深めていった。

自走を支える「伴走支援」の極意(第4回)

第4回(2025年12月3日)のテーマは、プロジェクト開始後の「その後」を支える伴走支援。「どこまで介入すべきか」「支援しすぎると逆効果ではないか」というリアルな葛藤に対し、三者(企業・人材・コーディネーター)が同じ方向を向くための信頼構築の手法を議論した。
講義のなかで出た「全員がワクワクしながら進められるのが理想」という言葉。プロジェクトを一過性のイベントで終わらせず、持続可能な変化へと繋げるためのコーディネーターの重要性を、改めて胸に刻む機会となった。

自分らしい関わり方を見つけ、次の一歩へ(第5回)

最終回(2026年2月28日)は再び対面形式で行われ、先輩コーディネーターを交えた座談会が実施された。
話題はビジネスモデルや本業とのバランス、活動の始め方から、現場でのトラブル事例まで多岐にわたった。地域コーディネートに「唯一の正解」はない。一人ひとりが自身の強みや状況に合わせ、多様なスタイルで関わればよいのだということを改めて共有する時間となった。
講座の締めくくりには、自分にとっての定義や、これから取り組みたいことを「コーディネーター宣言」と評して言葉にのせる。それぞれの現場へ一歩を踏み出すための、力強い決意表明となった。

三浦半島の「未来」を創る、新たなコミュニティの誕生

全5回の講座を通じて、プレイヤーたちはスキルだけでなく、志を同じくする「仲間」という大きな財産を得た。
「地域のために、自分に何ができるか」 この問いに向き合い続けた16名の地域コーディネーターとして、これから三浦半島各地で企業と人材を繋ぎ、新たな価値を生み出していくはずだ。三浦半島の未来を創る挑戦は、ここからが本番である。
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